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警視庁随一の情報マンとして難事件を次々解決してきた黒田警視が、日本の財産を掠め取ろうとする中国・北朝鮮の裏社会と対決する。
3年間もの間海外研修に行っていた黒田。海外の社会動向・捜査技術、そして人脈を培って帰国した。
警察は帰国した黒田にいくつもの密命を下した。
まず、コンビニのATMに偽造クレジットカードを挿し、海外の銀行から多額の現金を詐取した事件の極秘捜査。
手口から日中の反社組織の関与が疑われていたが、警視庁組織犯罪対策部の捜査は捗々しくなかった。このままでは出し子の検挙に終わりかねない状況で、黒田に極秘捜査が下命された。
黒田がこの事件の捜査に取り掛かった矢先に、日本銀行から警察庁に驚愕の一報が飛び込む。
古くなり溶解処分されるはずだった1500億円分の一万円札が、日本で再流通していたことが発覚したという。
警察庁警備局長は黒田を呼び出し、これも秘密裏に全容解明するよう下命。
黒田もどこから手を付けたらよいかと困惑し、日銀本店で副総裁ら関係者と面談する。
そこで防犯カメラの映像などを分析すると、中国と北朝鮮の影が蠢いていた。
最後の密命は、新・情報室の設立だった。
黒田の離任後の情報室の実績は芳しくなく、警察上層部は改革が必要だと認識していた。
黒田の帰国早々、黒田室長と、キャリア・ノンキャリアから選りすぐりの若手情報マン候補からなる総勢100名の新・情報室を設立した。
黒田は、新・情報室の初仕事として、ATM現金詐取と日銀券詐取の捜査に当たっていく。
黒田も一流の情報マンとして、自らオシント(公開情報による情報収集)・シギント(テクノロジーを活用した情報収集)・ヒューミント(協力者からの情報収集)を駆使して事件の核心に迫り、同時に若手を指導していく。
今回も情報室の捜査の様子が数多く語られる。
北朝鮮の情報収集だったり、中国公安の裏をかく戦術だったり、黒田自身の活動も然り。
その一つ一つが興味を引き込まれる。
そして、登場人物が語る様々な情報には、ある程度実際のモデルが想定されていることがうかがえ、その想像も楽しい。(人名から想像できるものもある。鶴→亀など)
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