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直木賞受賞作とのこと、賞のために「泣かせ」に行ったのかもしれないが、相応しいと思う。
《第一部》
栄吉は江戸の深川で豆腐屋を開き、豆腐の好みの違い(江戸は木綿で京都はソフト)に戸惑いながらも努力の甲斐あって次第に受け入れられ、江戸の豆腐業界で確固たるポジションを築いてゆく。
その裏にある下町の人々のさりげない気遣いと、それを知らずに成功を素直に喜びあう栄吉とおふみの姿に泣ける。
冷静に考えるとあまりにも出来すぎた話だが、それを差し引いても人情に胸うたれるものがある。
《第二部》
子供たち3人+次男の嫁が、様々ないきさつですれ違い、対立し、危機を迎え、そして和解する。
親子2代にわたって長い時間をかけてもつれた糸が、ここでも人々の人情を助けにきれいにほどけ、未来を語る最後に何かほっとした。
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