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内野聖陽主演でドラマ化された小説。主人公の倉石警視は、 豪放で、一匹狼で、しかも非常に優秀な検視官。終身検視官だの、クライシス・クライシだのと綽名される。
心酔する者は多いが上にとっては扱いにくいタイプの典型である。
倉石はすべてにおいて鋭さが突出した人物として描かれているが、ドラマほど極端なキャラクターではない。
わざわざ捜査会議に出て野菜をかじることはないし、小説の全編にわたって主人公として前面に立って目立つわけでもない。
しかし、その腕と人物によって病死、自殺、他殺を的確に見極め、背後の人間模様まで明らかにする、その様はまさしく鋭利な剃刀を思い起こさせる。