警察とその周辺の人々にまつわる事件を取り上げた短編推理小説集(「逆転の夏」だけはやや趣が違う)。
警察内部の不祥事あり、警察回り記者の引き抜きあり、裁判官の居眠りあり。その陰には必ず意外な犯人と意外な『動機』がある。そこにスポットが当たる。
感想
どれも派手な事件ではない。むしろサラリーマン社会の縮図のような出来事といえる。
それでも、各話の結末には、犯人と動機とそこに潜む人間模様に「ウーン、なるほど」と思わずにはいられない。
また、警察のみならず、警察の周辺にいる関係者、いわゆる「中の人」たちにスポットを当てている点も興味深い。
こういった題材の選び方が、後に「相棒」の脚本で参考にされているように感じることがある。
こんな人にオススメ
- 『半落ち』や『クライマーズ・ハイ』『臨場』など、横山秀夫作品が好き
- 派手なトリックよりも、犯人の「動機」に興味があるミステリーファン
- 警察ドラマ『相棒』のような、社会派・人間ドラマが好き
奇想天外なトリックや、スピーディーなアクションはないので、そういったものを求める人には向かないかも。

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