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濱嘉之警視庁公安部 青山望

国家を動かす闇とは?『青山望 国家簒奪』で読む現代日本のリアル

警視庁公安部・青山望

警視庁警察学校で、同期同教場に偶然集まった4人組がやがて幹部となり、反社・外国勢力・政治家の組織犯罪と対決するシリーズ第9作。

今回は、覚せい剤取引に手を出す暴力団幹部の爆殺事件と、資産家を効率的に狙った特殊詐欺の捜査が並行する。

あらすじ

名古屋中心街での若頭爆殺―ここから始まった

博多に入港する韓国からのクルーズ船。夜影に隠れて覚せい剤を密輸していた。岡広組総本部系下部団体の若頭が、コリアンマフィアとサンプル品を取引し、名古屋で組長に報告した後、栄のマンションに持ち帰る。情婦とキメセクに及ぼうとケースを開けた瞬間、ケースが爆発する。

閃光が走り、骨が完全に灰になるほどの異常な燃え方であったことから、事件後カルテットの藤中、そして青山が名古屋入りする。

科警研で鑑定したところ、爆薬は中国軍のプラスチック爆弾とテルミット火薬の混合で、過去にチベットで使われた手口に似ていた。そして現場で見つかった覚せい剤は中国製の特徴であるパウダー状。
背後にチャイニーズマフィアの存在が強く疑われた。

愛知県警を前面に立てながらも、爆発前の若頭の行動確認から捜査に着手する。

資産家を狙う巧妙な特殊詐欺も

その頃龍は、ユーロ建て変額個人年金保険を持つ富裕層を狙う特殊詐欺の捜査に着手していた。
極めて巧妙な手口から組織犯罪が疑われ、しかもメガバンクから預金者名簿が漏洩している可能性も浮上。アプローチに苦慮しながらも、青山や大和田と情報交換して捜査を進める。

関連する政治家の汚職や、チャイニーズマフィアと癒着し捜査データの削除に手を染める警察幹部の存在などが発覚しながらも、カルテットの情報交換を通して捜査が進んでいく。

感想

政治の手駒・アジアンマフィアの悲哀と凶悪

若頭に爆弾入りのケースを渡したのはコリアンマフィアだが、背後にはチャイニーズマフィアがいた。政治との結びつきが強いコリアンマフィアは、左派政権になればチャイニーズマフィアになびかざるを得ない。サラリーマンさながらである。

チャイニーズマフィアも、中国共産党幹部の手駒となり、共産党内部の対立構造を反映した勢力地図になってしまう。

アジアンマフィアと彼らを操る権力者が、うたかたの利権を貪る舞台の一つの日本で凶悪犯罪を起こすという構図がいつもに増して鮮明に浮かび上がる。

警察内部のエピソードも見どころ

今回は、警察内部で起きるゴタゴタも見どころ。

チャイニーズマフィアの手先に落ちた組織犯罪対策部の警官を尾行すると、監察の下手な尾行と被って公安部が文句を言い出す場面は笑える。

また、龍が出来の悪い管理官を呼びつけて注意する場面も見ものである。

こんな人にオススメ

  • 警察・公安・政治サスペンスが好き
  • 「警視庁公安部・青山望」シリーズの続きが気になる
  • 日本で暗躍する反社会的勢力の動向に興味あり
  • 現実の国際情勢や官僚・政界の裏側に興味あり
この記事を書いた人
Windcastor

小説・ビジネス書・エッセイなど幅広く読む読書ブロガー。
「本の扉を開く」では、話題の新刊や名著を中心に、読後に残る気づきや感想をわかりやすくまとめています。
次に読む一冊を探すきっかけになれば幸いです。

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